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日弁連も声明発表。逆風強まる銀行カードローンの行方は?

日弁連も声明発表。逆風強まる銀行カードローンの行方は?

カードローンサービスの中心として消費者金融カードローンにとってかわった感の強い銀行カードローンですが、金融庁による規制強化や新聞のネガティブキャンペーン、日本弁護士連合会(日弁連)のさらなる規制強化を求める声明など、逆風が吹きはじめています。
全国銀行協会(全銀協)の申し合わせから、銀行カードローンを取り巻く環境はどのように変化しているのかを見てみましょう。

銀行カードローンの拡大と金融庁の規制強化の検討

かつてカードローンサービスの中心といえば、独立系の消費者金融が中心でしたが、グレーゾーン金利問題や過払い金返還請求訴訟などのトラブルが相次いだことで、次々と銀行グループの傘下におさまりました。
銀行は、消費者金融の提供するサービスはそのままに、銀行本体でより大きな限度額と低い利率が魅力となる銀行カードローンの提供をはじめました。
銀行の新たな収益源として力を入れたため、既に銀行カードローンの貸付残高は消費者金融カードローンの貸付残高を上回り、金融庁は審査の厳格化や貸し付け規制などの規制強化を検討しています。

拡大にともなうトラブル増加と全銀協の「申し合わせ」

カードローンは、日本銀行(日銀)をはじめとするさまざまな機関が独自に調査・統計がおこなわれていますが、細かい数字に違いはあるものの、全ての統計で銀行カードローンの貸付残高は消費者金融カードローンの貸付残高を上回っている点では一致しています。
このことからカードローンは銀行の新たな収益源として注目を集めていますが、貸し付けの拡大にともなって利用トラブルが表面化、金融庁が規制強化を検討していると伝えられたことで一部新聞を中心にカードローン利用に疑問を呈する声が出ています。

全銀協の申し合わせを受けた日弁連の声明内容

金融庁の規制強化の検討や新聞紙面での批判を受けて、全国の銀行が加入する全国銀行協会(全銀協)はカードローンの広告・宣伝や審査体制の見直しを進めるとした「申し合わせ」を公表しています。
この「申し合わせ」はあくまで自己規制であり、日本弁護士連合会(日弁連)はより厳しい規制導入を求める声明を発表しています。その声明の内容を引用して見てみましょう。

(前略)

しかし、本申し合わせの内容は抽象的であり、「個人の年収に対する借入額の比率を意識した代弁率のコントロール」の具体的内容も曖昧で、これでは過剰融資抑制のための具体的かつ客観的な基準としての効果は期待できない。

当連合会の「銀行等による過剰貸付の防止を求める意見書」(2016年9月16日)にて述べたとおり、改正貸金業法は年収に対する借入額の比率が3分の1を超える貸付けを原則として禁止しているのであるから、改正貸金業法の趣旨を踏まえ、銀行においても、貸金業者による保証を付した銀行カードローンについて、同水準の審査態勢を構築すべきである。

よって、当連合会は、改めて、銀行、及びその他上記の意見書の対象とされている信用金庫、信用組合等の金融機関(以下「銀行等」という。)に対し、借入残高が年収の3分の1を超えることとなる貸付けを原則として行わないようにするなど、真に改正貸金業法の趣旨を踏まえた適切な審査態勢等の構築を求める。

また、銀行等の消費者向け貸付けによる過剰融資の抑制のためには、銀行等の自主規制による対応だけでは不十分であり、金融庁は、上記の内容の審査態勢等の構築を求める旨を銀行等向けの監督指針に明記し、国は、貸金業法を改正して、貸金業者が銀行等の行う貸付けに保証を付す場合を総量規制の対象にすべきである。

引用:日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:全国銀行協会の「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ」を踏まえての会長声明

平成18年改正で導入された「総量規制」

日弁連の声明を読むと「改正貸金業法は年収に対する借入額の比率が3分の1を超える貸し付けを原則として禁止」という文言が出てきますが、これは2006年(平成18年)の貸金業法の改正によって導入された「総量規制」のことです。
総量規制は過剰貸し付けの抑制を目的とした、1社で50万円、他社と合わせて100万円を超える借り入れをするときに所得証明書類の提出を義務付け、年収の3分の1を超える貸し付けを原則禁じた規制です。
いくつかの例外は設定されているものの、総量規制は消費者金融や信販会社などの「貸金業者」から借り入れをするときに無視できない規制の一つと言えます。
日弁連の声明では、銀行カードローンの審査でも総量規制と同様の仕組みの導入による規制実施を求めています。

おわりに

貸付残高が急速に大きくなったことで、銀行カードローンは金融庁や弁護士会から利用者本位のサービス見直しを求められています。
銀行側も申し合わせの発表などの対応を進めていますが、規制強化を進める金融庁が更なる規制を求めてくる可能性は小さいものではなく、その動向は注目と言えるでしょう。

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