利用に影響大?全銀協、カードローン融資の申し合わせを決定

利用に影響大?全銀協、カードローン融資の申し合わせを決定

急拡大が続く銀行カードローンの貸し付けに対して、一定の歯止めがかかることとなりそうです。
全国銀行協会(全銀協)は3月16日、「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ」として銀行カードローンの融資に関する申し合わせを発表しました。
この申し合わせは今後のカードローン利用にどう影響するのか、申し合わせの内容と合わせて見てみましょう。

消費者金融カードローンの融資額を上回る銀行カードローン

2000年代に入ってから相次いたグレーゾーン金利の違法化や過払い金返還請求訴訟により、消費者金融カードローンは急速にイメージと経営が悪化し、相次いで銀行グループに加わることとなります。
消費者金融カードローンを傘下に納めてそのノウハウを吸収したことで、銀行はより魅力的な条件でのカードローン提供をはじめ、企業向け融資から個人向け融資に舵を切るきっかけとなりました。
消費者金融カードローンと異なり、貸金業法の監督下にない銀行カードローンは総量規制の対象外であり、その貸付残高は急増しています。
2015年(平成27年)の統計では、消費者金融カードローンの貸付残高が4兆336億円に対して銀行カードローンは4兆6113億円と、銀行カードローンの貸付残高が消費者金融カードローンを上回り、更に広がっています。
銀行カードローンの急拡大に対して監督官庁である金融庁は警戒感を強め、過剰な貸し付けをしないように事あるごとに釘を差してきました。これを受けて導入されたのが今回の申し合わせです。

今回の申し合わせの内容はどのようなものか

今回の申し合わせの内容は新聞各紙で断片的に報じられていますが、全体像を報じているものはあまりありません。
全国銀行協会(全銀協)が発表から引用して、申し合わせの内容を見てみましょう。

1.配慮に欠けた広告・宣伝の抑制

銀行は、消費者向け貸付けに関する広告・宣伝を実施する場合、改正貸金業法の趣旨を踏まえて適切な表示等を行うよう努める。
例えば、銀行カードローンが改正貸金業法による総量規制の対象外であることや、高額の借り入れであっても年収証明書が不要であることを強調するなど、銀行による貸付けがお客さまにとって過剰な借り入れとならないための配慮に欠けた表示等を行わないよう努める。
また、広告・宣伝の中でお客さまの過剰な借り入れに対して注意喚起を行っていく等、多重債務の発生抑制にも努める。

2.健全な消費者金融市場の形成に向けた審査態勢等の整備

各会員銀行は、消費者向け貸付けに際し、利用者利便と顧客保護の両面に十分配慮し、消費者向け貸付けがお客さまにとって過剰な借り入れとならないよう、例えば以下の点に留意するとともに、各行がそれぞれの事情に応じた創意工夫によって、健全な消費者金融市場の形成に向けた審査態勢等を構築するよう努める。

  • 1.年収証明書や自ら保有するお客さまの情報等によって、お客さまの収入状況や返済能力をより正確に把握することに努める。例えば、改正貸金業法上、自社で50万円超または他社借入を含めた総額で100万円超の貸出審査には年収証明書が必要とされていることにも留意する。
  • 2.貸付け審査にあたり、信用情報機関の情報等を活用するなどして、自行・他行カードローン、貸金業者の貸付けを勘案して返済能力等を確認するよう努める。
  • 3.信用保証会社による代弁率や応諾率の推移、年収に対する借入の状況と代弁率との相関関係等を定期的に分析・把握し、審査の適切性について信用保証会社と深度あるコミュニケーションに努める。例えば、個人の年収に対する借入額の比率を1/3以内に制限する総量規制の効果として、多重債務の発生が一定程度に抑制されている状況等を踏まえ、銀行カードローンにおいても、個人の年収に対する借入額の比率を意識した代弁率のコントロール等を行うべく信用保証会社と審査方針等を協議するよう努める。
  • 4.貸付け実施後においても、お客さまの状況等に応じて、定期的に信用状況の変動の把握に努める。

引用:銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ(PDF)

申し合わせは銀行カードローンの利用にどう影響する

消費者金融カードローンと比べたときの銀行カードローンのメリットと言えば、低い金利と大きな限度額や大きな金額の借り入れでも所得証明が提出不要であること、総量規制の対象外であることでした。しかし今回の申し合わせにより、銀行カードローンのメリットのうち、所得証明の提出や総量規制の対象外である点は、努力義務にとどまるものの、一定の対策を求められることとなります。
一部の地方銀行カードローンは早速この申し合わせに対応して、所得証明不要の表記を小さくしたり、提出を求めるようになっています。
メガバンクのカードローンではこの申し合わせに対応した動きは現時点では見られないものの、貸付残高の大きさから今後何らかの対策が取られることはほぼ確実と考えられ、その内容がどのようなものになるのか注目と言えます。

おわりに

消費者金融カードローンのノウハウを吸収することでシェアを急拡大した銀行カードローンですが、今回の申し合わせの影響が今後の貸し付けにどのように影響するのかは未知数です。
銀行が申し合わせを受けてどう対応するか、申し合わせの内容がどの程度実行されるかは、今後のカードローン利用に大きく影響するため、借り入れを検討している人には要注目と言えそうです。

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