人事院による給与引き上げ勧告とカードローンへの影響

人事院勧告とカードローンへの影響_アイキャッチ

国家公務員の労働環境を守る人事院は、2016年度の国家公務員の月給を3年連続で引き上げることを国会と内閣に対して勧告しました。
この勧告は、民間企業に務める人の給与やカードローンの借り入れにどう影響するのでしょうか。
今回は人事院勧告と国家公務員と民間企業の給与やカードローンの借り入れの関係を見てみましょう。

「人事院」の役割と「人事院の給与勧告」の目的とは

毎年この時期になると注目される「人事院」と「人事院勧告」ですが、これらはどのような役割を果たしているのでしょうか。
最初に、人事院の役割と人事院勧告の目的について見てみましょう。

国家公務員の労働環境を守る「人事院」

国家公務員を含む全ての公務員は、憲法で「全体の奉仕者」と規定されているため、職務遂行に当たっては中立・公正性が強く求められています。

そのため、

  • 自主的に労働することを妨害されない権利
  • 労働組合を作り加入する権利
  • 労働組合加入を強制されない権利
  • 雇用者と団体交渉を行う権利
  • 合法的に争議を行う権利

をはじめとする労働者の権利は国家公務員法と政令201号によって制限されています。

国家公務員の労働環境を維持・改善するため、国家公務員法に基づいて中立・第三者機関として設置されているのが「人事院」です。
人事院は上記の目的を果たすため、人事行政に関する公正の確保と国家公務員の利益の保護等に関する事務をおこなっています。

国家公務員の給与を定める「人事院勧告」

人事院勧告とは、国家公務員の労働基本権を制約する代償に、社会情勢に適応した国家公務員の、適正な給与の確保を目的とする勧告です。

基本的に人事院勧告は、国家公務員の給与水準を民間企業の従業員の給与水準と同程度の水準とすることを目安に、一定のベースアップ(ベア)勧告が中心となります。
人事院では国家公務員の給与など、勤務条件の決定を「法定すべき基本事項」と「具体的基準」に大別して、国会と内閣に対する勧告と法律の委任に基づいた規則の制定・改廃で対応することを求めています。

2016年度人事院勧告の内容

人事院と人事院勧告の役割を把握したところで、2016年度の人事院勧告の内容を見てみましょう。
今年の人事院勧告の注目したい点としては、3年連続の月例給、ボーナスの引き上げと、各種手当ての見直しです。

月例給、ボーナスの引き上げ

今回の人事院勧告では、月例給(月給)とボーナスの双方の引き上げを勧告しました。

引き上げ内容を詳しく見てみると、

  • 総合職試験、一般職試験(大卒程度、高卒者)採用職員の初任給を1500円引き上げ。若年層も同程度の改定
  • その他職員は、それぞれ400円の引き上げを基本に平均改定率0.2%を目安に改定
  • 行政職俸給表(一)との均衡を基本に改定(指定職俸給表は改定なし)
  • 係長級で4%から4.5%相当額、係員級で2%から2.5%相当額の手当額を引き上げ
  • 医療職俸給表(一)の改定状況を勘案し、医師の処遇を確保する観点から、所要の改定

となっています。

月例給とは別に、ボーナスについても現行の4.2カ月分から0.1カ月分引き上げた4.3カ月分の支給とすることが勧告されています。

給与制度の改正

今回の勧告では、給与、ボーナスの引き上げと合わせて給与制度の見直しにも踏み込み、

  • 給与制度の総合的見直し
  • 配偶者に係る扶養手当の見直し
  • 専門スタッフ職俸給表4級の新設
  • 再任用職員の評価・給与の見直し
  • 介護時間制度の新設にともなう給与の取り扱い
  • 非常勤職員の給与

について、制度の新設や勧告、指導をおこなうとしています。

人事院勧告は民間企業の給与にどう影響するのか

3年連続の引き上げがおこなわれた人事院勧告ですが、気になるのは民間企業の給与への影響です。

人事院勧告は「民間準拠」の水準として決定されるのに対して、民間企業も公務員給与を参考に、給与とボーナスの内容を決定していると言われています。
そのため、公務員の給与が引き上げられれば、民間企業の給与との間で労働条件改善の正のスパイラルの発生が期待できます。
これにより可処分所得・可処分時間を狙っていると考えれば、デフレ経済脱却を目指す安倍政権の方針にも合致していると言えるでしょう。

人事院勧告とカードローンへの影響とは

ここまで見てきて気になるのは、人事院勧告がカードローンに与える影響です。

人事院勧告は国家公務員の給与や労働条件について改善を求めるものであり、勧告の内容がカードローンに何らかの影響を与えることは考えられません。
人事院勧告がカードローンに与える影響を考えると、労働条件改善の正のスパイラルが発生による可処分所得・可処分時間が増えることの期待です。

可処分所得・可処分時間が増えることにより、一般家庭の生活レベルが上がることで生活費の増加が考えられます。
増加分が所得の上昇分を上回れば、一定数がカードローンの新規契約や借り入れに向かえばカードローン会社の業績改善に寄与することになり、サービス改善が期待できます。

おわりに

国家公務員という日本の給与所得者の基準とも言える人々の働きかたの改善を求める人事院勧告は、民間企業の待遇にも大きく影響します。
働きかたの条件はカードローンには直接影響を与えることはありませんが、その動向はわれわれの生活に直接影響するため、要注目と言えるでしょう。

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