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GPIFの運用方針と保有銘柄公開が与えるカードローンへの影響

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2015年に5兆円の運用損を出したことが報道された年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、保有する株式・債券を公表する新しい運用方針を発表しました。
この方針は、カードローンの申し込み・借り入れにどのように影響するのでしょうか。
今回は年金を運用するGPIFの概要と、今回の運用方針がカードローンに与える影響を見てみましょう。

公的年金を運用するGPIFとはどのような組織か

そもそも、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)とはどのような組織なのでしょうか。GPIFの概要とその目的を見てみましょう。

GPIFは厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)及び国民年金法(昭和34年法律第141号)に基づいて設置された法人です。
その目的は、

  • ・厚生労働大臣から寄託された積立金の管理及び運用をおこない
  • ・収益を国庫に納付して厚生年金保険事業及び国民年金事業の運営の安定に資すること

とされています。
運用の基本方針は指数(ベンチマーク)に連動することを目指すパッシブ運用ですが、一部は指数を上回る収益を目指すアクティブ運用に充てられています。
GPIFは総額140兆円もの資金を運用していますが、実際の運用はGPIFから委託された国内外の金融機関がおこなっています。

不透明さが指摘されていたGPIFの運用と方針転換

これまでGPIFは、株式や債券の保有状況は原則非公開として、運用方針と運用成績の公表にとどめてきました。
しかし、昨今の情報公開への要求の高まりなどを踏まえて透明性を高めるために原則公開とする方針転換を決定しました。
今回の方針転換により今後公開される情報について、報道から見てみましょう。

公的年金の積立金約140兆円を国内外の株式や債券で運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は14日、保有銘柄や時価総額などを全面開示することを決めた。市場に影響する懸念から保有状況は非公表だったが、透明性を高めることにした。

この日開かれた外部有識者でつくる運用委員会(委員長=新井富雄・東大名誉教授)で開示方法を決定した。株式は1.銘柄名2.証券コード3.株数4.時価総額、債券は1.発行主2.時価総額をGPIFのホームページで閲覧できるようにする。

(後略)

引用:GPIFの保有銘柄、全面開示へ:朝日新聞デジタル

(前略)
開示対象は、株式の銘柄、株数、時価総額。債券では発行体と時価総額。約140兆円の巨額資産を運用するGPIFは、来年からの開示に向け、個別銘柄情報の公表を段階的に始める。
14年度末時点の保有分は今月29日に、15年度末の保有分は今年11月25日に、それぞれ明らかにする。計2回で公表する銘柄情報が市場に与える影響を検証し、問題がなければ、毎年7月に前年度末の情報を全面的に開示する。

引用:7月全面開示、来年から = 前年度末の保有株情報 - GPIF:時事ドットコム

今回の方針転換によって考えられる影響

保有資産は原則非公開としていたこれまでの方針から原則公開に転換したことで、どのような影響が予想されるでしょうか。

資産の原則公開による取引市場での不適当な価格形成

GPIFがおこなうパッシブ運用は、事前の決定にしたがって株式・債券を保有する投資方法です。
パッシブ運用は取引市場に与える影響は小さいものの、GPIFは市場に与える影響の大きさを懸念して、資産状況を原則非公開としてきました。

今回の方針転換が取引市場での価格形成に何らかの影響を引き起こせば、その影響は小さいものとは言えません。

株式中心のポートフォリオへの影響

現在のGPIFの資産構成割合(ポートフォリオ)は、国内外の株式に重点を置いた内容であり、株式市場の変動に影響を受けやすい内容です。

実際に2015年の運用結果は累計で5兆円の損失を出すなど、直近の運用では大きな影響を受けました。
2016年に限っても、イギリスのEU離脱(ブレグジット)など、株式市場に大きく影響する事件も発生しています。

このような株式市場の急変と不適当な価格形成が合わされば、より大きな損失が発生することも懸念されます。

GPIFの方針転換とカードローンに与える影響

GPIFの方針転換は、カードローンにどのような影響が考えられるでしょうか。

GPIFの実際の運用は業務委託を受けた国内外の証券会社や信託銀行などの金融機関がおこない、金融機関は巨額の手数料を受け取っています。
また、従来の債券主体から株式主体の運用に切り替えたことで、GPIFは機関投資家としての役割をより積極的に果たすことが期待されます。
今回の方針転換は、この2つの面から日本の株式市場の活性化が期待でき、マイナス金利政策で業績悪化が懸念される銀行の業績に良い影響を与えることが考えられます。

おわりに

総額140兆円もの資産を運用するGPIFの動向は、日本経済だけではなく世界経済にも大きく影響することが考えられます。
その意味では今回の原則公開への方針転換は歓迎できる決定と言えるでしょう。
動向や運用成績を確認する意味でも、これから公開される情報には注目したいものです。

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