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注目を集める信託銀行の合併報道とカードローン利用への影響

注目を集める信託銀行の合併報道とカードローン利用への影響

みずほフィナンシャルグループ(FG)と三井住友トラスト・ホールディングス(TH)は、経営効率化を目的として傘下の資産管理銀行(信託銀行)を統合する検討に入ったと報じられました。
みずほと三井住友というグループをまたいだ統合入りの背景には、どのような背景があるのでしょうか。また、カードローンの利用にはどのように影響するのでしょうか。
今回は、意外と知られていない銀行と信託銀行の違いを見ながら、今回の経営統合の検討と、カードローンへの影響を見てみましょう。

報じられた経営統合の検討内容

NHKの報道によれば、みずほFGが過半数の54%を出資する「資産管理サービス信託銀行」と三井住友THが67%を出資する「日本トラスティ・サービス信託銀行」を統合する方向であると伝えられています。
仮に統合が実現すると、預かり信託財産の残高は380兆円となり、三菱UFJFG系列の資産管理銀行の2倍を超える規模にまで拡大することとなります。

業務内容が異なる?銀行と信託銀行の違いとは

ここで気になるのが、経営統合の検討対象である2行が「信託銀行」であることです。「銀行」と「信託銀行」は、何が違うのでしょうか。

貸し手と借り手の資金の仲介者となる「銀行」の業務

資本主義に基づいた社会では、基本的に資金に余裕がある人(貸し手)と資金が必要な人(借り手)に分けられ、お互いに不可欠な関係ですが、その時々に必要な貸し手(借り手)を自力で探すことは簡単なことではありません。
そこで貸し手と借り手を結びつける資金の仲介者となるのが「銀行」であり、銀行は資金(お金)の貸し手と借り手を結ぶ仲介者として資本主義に基づいた社会で重要な役割を果たしています。

財産管理を主な業務とする「信託業務」

資金の仲介者としての役割が期待される銀行とは異なり、「信託銀行」は同じ銀行として扱われるものの、求められる役割が微妙に異なります。
信託銀行の「信託」とは、ある人(委託者)が信託契約や遺言によって、信頼できる人(受託者)に金銭や土地といった財産を名義ごと移転し、受託者が委託者の設定した目的(信託目的)に沿って委託者の指定する人(受益者)のためにその財産(信託財産)の管理・処分その他必要な行為です。
信託とは「信じて託す」の言葉どおり、委託者と受託者の高度な信頼関係に基づいた制度であり、信託銀行はこの信託業務に特化している点が大きな特徴となっています。
信託制度受託者の専門性を生かした資産運用や財産の安全・確実な保全などが期待できるだけでなく、受益者の権利(受益権)は分割・流通ができるため、資産流動性を高める仕組みとしても利用されています。

「兼営法」により銀行業務と信託業務を兼務する信託銀行

現在のように信託銀行が信託銀行と銀行業務を兼務する根拠となるのは、1943年に成立した「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(兼営法)です。この法律により50社近くあった信託専業会社の淘汰が進み、1945年時点で7社まで統合が進みました。
1948年(昭和23年)の証券取引法が成立により有価証券の引き受け(アンダーライティング)を主要業務としていた信託会社は軒並み経営が悪化、救済策として大蔵省(現・財務省)による銀行業併営が進められ、現在の銀行が信託業務を兼務する「信託銀行」が普及しました。
このように資産運用を主な業務とする信託銀行は、対象となる顧客層により更に細かく分けられます。
主な信託銀行の分類を見ると、一般層を対象とする基本的な「リテール信託」や分散した年金資産などの一元管理をおこなう「マスタートラスト・再信託専業信託」などがあります。
今回合併が報じられた2行は、どちらもマスタートラスト・再信託専業信託を主に担当する信託銀行として知られています。

今回の合併はカードローンの利用に影響するか

ここまで銀行と信託銀行の違い、信託の仕組みや信託銀行の成り立ちを見てきましたが、気になるのは今回の合併が実現すると、カードローンの利用にどう影響するかという点です。
合併が報じられた2行はカードローンサービスを提供していないため、合併そのものがカードローンの利用に影響を及ぼす可能性はまず考えられません。
しかし信託銀行の中には、オリックス銀行や三井住友信託銀行のようにカードローンサービスを提供している銀行もあり、今後も合併が続くようであればサービスの見直しは十分に考えられます。

おわりに

信託銀行2行の合併は、仮に実現すれば長らく動きのなかった信託銀行の勢力図を大きく塗り替えるだけではなく、グループをまたいだ協業・統合を進める可能性があります。
カードローンへの影響とあわせて、その動向には要注目と言えそうです。

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